井波の魅力再発見 瑞泉寺でシンポ、起業家ら語らう

南砺市井波地域の各種団体でつくる井波日本遺産推進協議会(三谷直樹会長)は11日、同市の井波別院瑞泉寺でシンポジウムを開き、起業家や地域おこし協力隊員らが井波の魅力を語り合った。

 井波地域が2018年に木彫刻の町として文化庁の日本遺産に認定されたことを受け、認知度を高め、住民に地元の魅力を再発見してもらおうと企画した。

 井波地域の住民を中心に約200人が参加。田中幹夫市長、市地域おこし協力隊の松倉奈弓さん(31)=愛知県出身、起業家でパン職人の窪田直也さん(34)=高岡市出身=の3人が井波の魅力について話し合った。松倉さんは「家族や友人がものづくりをしており職人と客の距離を近づける仕事をしたかった」、12月に井波でパン屋を開業予定の窪田さんは「パン作りはものづくりと共通する点が多く、落ち着いて作業に取り組める雰囲気が気に入った」とそれぞれ移住を決めた理由を語った。田中市長は「ことしは多くのイベントが中止となってしまったが、伝統を取り入れた新しい文化を発信するチャンスと捉える」と話した。

 境内には約130個のあんどんを飾り、一帯は幻想的な雰囲気に包まれた。