※新書※ダライ・ラマと転生 (扶桑社新書 /著:石濱 裕美子)

チベットの僧院社会の構造、転生相続などを、チベット密教の大本山ギュメ大僧院の施主一族、平岡家を取材することを通じて内部の視点で描きだしたもの。

第一章 中国に滅ぼされた観音菩薩の国
 ● 仏教の転生思想
 ● 理性的なチベット仏教
 ● ダライ・ラマの来世
 ● 観音菩薩の化身ダライ・ラマ
 ● ロプサン・ガワン先生の生まれた時代
 ● 人民解放軍の侵攻
 ● チベット蜂起
 ● インド亡命の過酷な旅
 ● 「解放」という名の侵略
 ● ネール首相の保身

第二章 チベット亡命政府と難民社会
 ● バクサ難民収容所での僧侶たち
 ● 難民社会の民主化
 ● ウツにならないチベット人
 ● 僧院社会の立て直し
 ● 僧院の教育システム
 ● 兄との再会
 ● 七回地獄に落ちる「破戒」
 ● 病と貧困の日々
 ● 高僧の寿命を延ばす
 ● 博士になる

第三章 チベット密教の世界
 ● ダライ・ラマが決める高僧の進路
 ● 密教経典とその継承者たち
 ● ギュメ密教大学のヒエラルキー
 ● 出世の頂点、ガンデン座主への道

第四章 日本人の弟子と施主
 ● 平岡英信と清風学園
 ● 日本人とチベット密教の出合い
 ● お金は本尊が集めるもの
 ● 「研究」から「求法」へ
 ● 生涯の師との出会い
 ● 外国人が受ける逆風
 ● 魚が水面から飛び出すように
 ● 騒乱の1989年
 ● 日本から来た大施主
 ● 全ての宗教は共通の真理を語る
 ● 奇跡の否定
 ● 善行もその器でなければ害に
 ● 生き方の手本を示すのが僧侶

第五章 ガワン先生の死と再生
 ● 叔父の生まれ変わり
 ● 死の瞑想
 ● 「グヒヤ・サマージャ」の哲学の伝授
 ● 日本での闘病生活
 ● ダライ・ラマとの来世の約束
 ● 三度目のチベット蜂起
 ● 「グヒヤ・サマージャ」の行の伝授
 ● 最後の謁見
 ● インドへの帰還
 ● 再会の約束
 ● 護摩壇で焚きあげられる遺体
 ● 再生への祈り
 ● ダライ・ラマ政権の終焉と東日本大震災
 ● 転生に関するガイドライン
 ● 生まれ変わりの探索と認定
 ● ネパールに生まれた転生者
 ● ガンデン大僧院での即位式
 ● ガワン先生との再会
 ● 生まれ変わりの出来不出来
 ● ダライ・ラマ法王、八十歳のスピーチ

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